2016年にドライアイの診断基準が改訂されました。
改訂後は
・*涙液層破壊時間(BUT)5秒以下(涙液の異常)
(*フルオレセイン染色による)
・ドライアイの自覚症状
2つの条件を満たした場合にドライアイと確定診断されるようになりました。
様々な要因による涙液および角膜上皮の慢性疾患で、眼不快感や視機能異常を伴います。 日本人に2,200万人いるとも言われています。
涙液の構造は主に油層・水層・ムチン層の3つの層でできています。水層成分は、涙腺から分泌され、油層成分はまぶたのはえぎわにあるマイボーム腺から分泌され涙の蒸発を防いで目の表面をコーティングしています。ムチン層は涙が流れ落ちないように目の表面に粘着する糊の役目を果たしています。
涙腺から出てきた涙は目の表面を潤したあと約10%は蒸発して残って古くなった涙は涙点を通り、涙小管→鼻涙管→鼻腔へと流れていきます。
■ドライアイの主な自覚症状
<多彩な症状があります>
| ・目が疲れやすい |
・目が痛い |
・目やにが出る |
| ・目がゴロゴロする |
・理由もなく涙が出る |
・物がかすんで見える |
| ・目がかゆい |
・目が重たい感じがする |
・目が赤くなりやすい |
| ・光をまぶしく感じる |
・なんとなく目に不快感がある |
・目が乾いた感じがする |
二つに大別できます
涙液減少タイプのドライアイ
■シェーグレン症候群(40〜60代の女性に多い)
原因不明の全身的な自己免疫疾患で涙の水層の分泌が悪くなる病気。
症状は、涙や唾液などが出にくい。口渇・目の乾き・異物感がある。(全身症状や口内乾燥などもある場合は内科での治療も必要)
■非シェーグレン症候群
シェーグレン症候群以外の涙液減少タイプのドライアイ
蒸発亢進タイプのドライアイ
(涙液の分泌量は正常であるが涙液の安定性が低下しておこる)
■マイボーム腺機能不全(40〜50代の女性に多い)
マイボーム腺からの脂肪の分泌が悪くなり、目の表面のコーティングがなくなることによる。
■コンタクトレンズ装用
コンタクトレンズを装用することにより、コンタクトに水分を奪われることによる。
■VDT作業(パソコン作業など)
まばたきが少なくなり開瞼時間が長いことで涙の蒸発が促されることによる。
<VDT作業に関しての視環境の見直し>
・VDT作業を1時間で15分休む
・モニターをやや下方にして角結膜の露出部を減らして蒸発量を減らす
・エアコンに直接あたらないようにする
・意識的にまばたきをする
・こまめに目を休ませる
[1]涙膜破壊時間(BUT)
まばたきしてから涙がはじけるまでの時間のことで、涙液の安定性を診断する方法です。
フルオレセインという染色液を使用し、涙に色をつけて検査します。
BUT5秒以上→正常
[2]フルオレセイン染色
角膜や結膜に傷がついていないか調べる検査
[3]シルマーテスト
涙がどの位不足しているか調べるテストです。下まぶたに濾紙を挟んで5分後の涙液吸収を測定します。
以前はシルマーテストもドライアイの診断基準の1つでしたが、診断基準が改定され基準には含まれなくなりました。
ドライアイQOL問診票
*Dry Eye related Quality of life Score
DEQSは、ドライアイの症状・日常生活への影響に関する15項目の質問があり、
答えから0〜100のスコアを算出します。
ドライアイと診断された方のスコアの平均値は33.7
非ドライアイの方の平均値は6.0なので、算出したスコアが33.7以上の場合、ドライアイの疑いが強くなります。
治療を開始する前と後で記入してもらう事により、ドライアイの診療や治療効果の判定において役立つと考えられています。
ドライアイQOL問診票
点眼薬の使用
点眼液を使用した治療というと、目の表面を潤す人工涙液(ソフトサンティア)やヒアルロン酸の点眼が一般的でしたが、新しい作用を持つ、ジクアス(2010年〜)・ムコスタ(2012年〜)が発売され、ドライアイの治療の選択肢が広がりました。
ジクアスやムコスタは、従来よく使われてきたヒアルロン酸の点眼薬を併用することも出来ます。
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ジクアス |
ムコスタ |
| 効能 |
結膜杯細胞に働いてムチンや水分の分泌を促進する |
結膜杯細胞自体を増やしてムチンを増加させる
抗炎症作用 |
| 副作用 |
刺激感
流涙 |
涙嚢炎
苦み |
| 注意点 |
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懸濁液のため、点眼後数分かすむ |
どちらの点眼液も涙液の安定性を改善し、ドライアイの自覚症状(乾いた感じ・ゴロゴロ感・眼痛など)を改善する効果があります。
フードつき眼鏡の使用
フレームのついたドライアイ専用の眼鏡があります。風除けの効果や眼球表面からの涙の蒸発が減ります。
自己の血清点眼
採血をして血液の一部を20%(1/5)に薄めて点眼することで角膜障害にとても効果がみられます。(血清成分には、角膜の治療に必要なたんぱく質などの栄養成分が含まれています)
涙点プラグ
涙点プラグ |
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涙点プラグ挿入時
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涙が流れる点を塞いで涙の排出を減らします。プラグは、シリコン製でサイズが10種類あり、涙点の大きさに合わせて用います。点眼麻酔のため、ほとんど痛みもなく短時間で処置できます。 |
涙点プラグについて
涙が流れる点をふさいで涙の流出を減らします。
1)涙点に挿入するプラグ
シリコン製プラグ(スーパーフレックスプラグ・パンクタルプラグ)で溶けることなく長期間効果が持続します。
しかし、カサのある構造をしているため、そのカサの部分が当たり異物感があります。
また自然に抜けやすい傾向にあります。
2)涙小管に挿入するプラグ
涙小管に挿入すると1週間で溶けるタイプと4ヶ月くらいで溶けるタイプがあります。
涙点に挿入するプラグとは異なり、カサのない構造をしているので異物感もなく、特に痛みを感じる事もありません。
涙点に挿入するプラグで異物感や痛みを感じる場合、涙小管に挿入するプラグに変えることで解消されます。
涙点閉鎖術
涙点を凝固し閉鎖して、涙の流出を止める手術です。
温罨法
マイボーム腺機能不全の方に42℃位の温かいタオルで温め、脂肪の分泌を促進することによっての改善が期待されます。
軟膏治療
マイボーム腺機能不全の方に、綿棒に涙の油性成分の代わりとなる軟膏を少量つけて、マイボーム腺開口部付近を清拭します。
内服薬治療
マイボーム腺機能不全の重症例の方に対し、抗生物質の内服治療を行います。 シェーグレン症候群の方に対し、唾液の分泌を促進するのに内服治療を行います。(エボザック(R)・サリグレン(R)・サラジェン(R)錠など)
涙の分泌量以外でも目の周辺の病気が複雑にからんでドライアイや
涙目になります
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眼瞼けいれん
自分の意思に関係なく、両目のまわりの筋肉がけいれんし、眼が開けにくくなる病気。まぶたが角膜上皮をこすり、傷がついてしまい、まぶしさや乾きを訴えて自転車・車の運転などでぶつけてしまうこともあります。
閉瞼障害(甲状腺眼底・顔面神経麻痺)
まばたきが弱いため、涙の循環が悪いことによる。
結膜弛緩症
結膜がゆるんでシワができる為、涙の循環が悪いことによる。
点眼薬の原因
一部の点眼薬や防腐剤の影響で、黒目の表面に傷がついたりドライアイの症状を悪化させることがある。
眼瞼下垂
まぶたの筋肉が弱くなり下がってきてしまい、まばたきが弱くなり涙の循環が悪いことにより涙目になることがある。
鼻涙管閉塞症
涙の通り道がつまっている為、涙目などの症状がでる。
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